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世代継続する地震に強いまちづくり

2007年5月28日

tanaka

宮城県建築物等地震対策推進協議会
会長 田中 礼治 (東北工業大学 教授)

1. 協議会での「世代継続する地震に強いまちづくり」

宮城県近傍では近い将来大きな地震の再来が予測されている。地震に強いまちづくりをして備えなければならない。協議会では建築専門家も積極的に地震に強いまちづくりに参加すべきであるということから協議会の中にWGが設置されている。WGの特徴は次の2項目である。
①若者に参加してもらう
②世代継続する
その理由は、これからの高齢化時代を考えれば若者の参加なくして防災活動は成立しない。また、地震に強いまちづくりは世代継続して初めて防災資産が蓄積されていくことにある。

2. 「世代継続する地震に強いまちづくり」の内容

zu1_chart「世代継続する地震に強いまちづくり」の基本は、若者と大人の会話にある。会話のない所に防災は成り立たない。会話をするには話題が必要である。その話題として、建築専門家が「木造住宅の耐震診断」を提供する。この「木造住宅の耐震診断」を話題として採用しているのが、本委員会の最大の特徴である。
世代継続する地震に強いまちづくりは図1に示す3ステップから構成されている。ステップ1では若者も大人も「木造住宅の耐震診断」を勉強してもらう。ステップ2ではその勉強を基に若者と大人の合同講習会を開き、若者と大人の会話を促進させる。会話が弾めば若者参加型自主防災組織が作れる。
ステップ3では若者参加型自主防災組織ができていれば、あとは若者と大人が相談して写真1~写真4に示すような種々の活動が行え、世代継続する地震に強いまちづくりが自然にできあがっていく。

3. 対外的評価

「世代継続する地震に強いまちづくり」に関しては、平成17年度「全国防災まちづくりフォーラム」(内閣府主催)において応用賞並びに最多得点賞をダブル受賞している。また、平成16年には宮城県松島町が消防庁主催の「防災まちづくり大賞」で消防科学総合センター理事長賞を受賞している。このような受賞の経緯から判断すると、協議会が進めている「世代継続する地震に強いまちづくり」は、これからもがんばって頂きたいという対外的な評価を受けているのではないかと考えている。

4. 全国のみなさんへ

machizukuri全国の皆さんの中には、地震に強いまちづくりに関する啓蒙活動をしている方は多数いらっしゃると思う。また、どうやったら若者に参加してもらえるのか、あるいは世代継続できるのかなど苦労している方もいらっしゃるのではないか。
地震に強いまちづくりに関する啓蒙活動に携わっている方々が一同に会して意見を交換し合うのは有意義なことだと考えている。早い機会にそのような場を設けたいと思っているので、その折りには多数の方々に御参加頂ければ幸いである。

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